2025年1月14日

ALL-ONE MAGAZINE #7
SENA
チャレンジャー/モデル/⼀般社団法⼈凸凹もへじ代表理事
1型糖尿病という“個性”が、オールワンビジョンを叶える武器になる

今回スポットを当てるのは、さまざまな広告やメディアで活躍するモデルの星南さん。

彼女は今、社会問題解決を中心とした社会活動家としての顔や、オリジナリティ溢れるアプローチで子どもたちにインクルーシブ教育を施す一般社団法人「凸凹もへじ」の代表など、実に幅広い領域で精力的に活動している。

そんな星南さんが、未来に見据えるものとは何か? 彼女の“オールワンビジョン”に迫る。

社会の凸凹に対する理解やリスペクトを広げたい

「生きることの楽しさを、さまざまな挑戦を通じて発信していくチャレンジャーであること」

星南さんが自らのライフワークについて、そのように語るのは、18歳の頃に発症した「1型糖尿病」という病と向き合い続けていることが根底にある。

補足までに触れておこう。1型糖尿病とは、すい臓のインスリン(糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つホルモンの一種)を分泌するベータ細胞が破壊されてしまう難病のこと。ひとたび発症すれば、インスリン製剤による治療を生涯続ける必要がある。これは遺伝や先天性によるものではなく、いつ、誰が発症してもおかしくない病気。もちろん、生活習慣との相関関係も全くない。

そんな自分と真正面から向き合ったとき、彼女が出した答えは、「1型糖尿病は私の個性だ」ということ。

「この世界にはさまざまな人がいて、それぞれに何かしらの障壁をもっているものです。私のように、表面上ではわからない病気と向き合い続けている人もいれば、目が見えない人や耳が聞こえない人もいる。それに周りと違うことに生きづらさを感じる人もいる。環境一つで誰しもがマイノリティにもマジョリティにもなり得る可能性があるんです。

実際、日本で生活していると『そういう自分はマイノリティなんだ』と感じさせられることがすごく多い。だからこそ、さまざまな“個性”をもっている人たちに対する理解やリスペクトを増やしていきたいんです」

そこで星南さんが立ち上げたのが、一般社団法人「凸凹もへじ」だ。

「“凸凹”に対して寛容な社会をつくっていきたいという想いと、どこかに日本っぽさを入れたくて“もへじ”を付け加えました。『日本の社会を変えたい』という意味も込められています」

現在は主に、東京都の子供食堂を回って、自ら制作・出版したオリジナル紙芝居の読み聞かせを行っている。タイトルは「みんなのトモダチ」。

世の中には、障害の有無、性差、宗教、国籍、肌の色など、自分とは違うさまざまな“トモダチ”がいることを知り、その上でお互いを認めて理解し、それが偏見や差別をなくすことにつながっていく。そのファーストタッチとして、紙芝居を活用したインクルーシブな空間を提供するのが狙いだ。

「例えば、目の見えない世界を体験するためにブラインドリレーをしたり、世界のあいさつやジェスチャーなどを実践したり、紙芝居で学んだことを実際にアウトプットしてもらっています。そういった体験をした子供たちが大人になったとき、さまざまな個性に対して手を差し伸べたり、声をかけてあげたりすることが自然とできるようになる最初の一歩になればいいなと思っています」

ドクターブロナーを選ぶことは、自分のパーソナリティを示すこと

ここまで話を聞いて、ふと気づかされる。

オールワンビジョン。すなわち、世界平和と宗教や民族の差別のない結束を唱えるドクターブロナーの哲学と、星南さんのライフワークの根底に流れる想いとの類似性だ。

「ドクターブロナーのアイテムを使い始めたのは、母がマジックソープを買ってきたときからなので、かれこれ10年くらいの付き合いになりますね。今ではリップや歯みがき粉なども愛用しています。実は以前キリマンジャロ登頂にチャレンジする際に、クラウドファンディングを通じて支援していただいた縁もあるんです。

“What you buy is What you vote”っていう言葉が好きなんですけど、例えば何かモノを買うときでも、自分はどんな社会に対して一票を投じるのかという意識をもって選ぶようにしています。ドクターブロナーのように、バックグラウンドがしっかりあって、その世界観にも共感できるブランドのモノを使うことが、自分自身のウェルビーイングにも繋がっていくからです」

そんな星南さんの愛用品として新たに加わったのが、1月14日から一部店舗・数量限定で発売される「オーガニックマジックバーム アルニカメンソール」だ。

アルニカとは、厳しい山風が吹くヨーロッパの山岳地帯に生息する多年草の植物。花部分には150種類以上もの有用成分が含まれ、幅広い特性があることから、、筋肉を酷使するアスリートからも信頼されているハーブの一種だ。

このアイテムは元々、ドクターブロナーのCEOであるデイビッド・ブロナーが、趣味のサーフィンで痛めた体をリカバリーするためにつくったもの。疲労した筋肉のマッサージに加え、アルニカ*¹、メンソール*²、カンファー*³、ペパーミント*⁴といった天然精油の爽やかな香りでリフレッシュできる。

*¹アルニカ花エキス(肌荒れ防止成分) *²メントール(清涼成分) *³クスノキ樹皮油(肌荒れ防止成分) *⁴セイヨウハッカ油(清涼成分)

前述のキリマンジャロ登頂などをはじめとする本格的な登山のほか、トライアスロンやトレイルランニングのレースなど、体を動かすことにも積極的な星南さんにとっては、まさにうってつけだ。

「お風呂上がりにアフターケアをするとき、脚に塗り込むようにマッサージしています。滑らかで伸びも良く、肌に馴染む感じが心地いいですね。香りもいいので気分をリフレッシュできます」

一方で運動だけでなく、自宅での事務作業の合間に首や肩をマッサージしたいときにも便利だとか。

「保湿力も高いので、冬場は乾燥している部分に塗ったり、いろいろな使い方ができるアイテムです」

チャレンジを続ける中で、準備の大切さに気づけた

1日の終わりにコンディションをしっかりと整えること。それはつまり、新たな1日のための準備に繋がる。

「何かにチャレンジし続けることは私にとって大切なことではあるけれど、一方で『無謀な挑戦をしない』ということも大事にしています。それは年齢を重ねるほど、“責任感”を感じるようになったからです。私と同じ病気を抱えている人や私のことを応援してくれる人たちに対して、生きることの楽しさを発信するのであれば、まずは自分にフォーカスしてきちんと準備を整えなければいけないなと思っています」

星南さんにとって大切なのは、生きることへのワクワクさ、楽しさを伝え続けていくこと。病気やハンディキャップに関わらず、みんなの人生に刺激を与える存在であることが、彼女が目指す“頂上”だ。

「トライアスロンをもっと極めたいとか、世界中の山を制覇したい、ということが目標ではないんです。純粋に自分の心がワクワクするから『やってみよう』と思っただけで、『やればできるんだ』ということを発信し続けるのが私の目標です」

彼女は今、南米大陸最高峰のアコンカグア登頂に向けて準備を進めている。

「今から2年後に登ろうと決めています。とはいえ約6900mの雪山なので、現状のままではかなり無謀な挑戦です。トレーニングを積んで体力を万全にすることはもちろん、治療に必要なインスリンの管理もしっかりシミュレーションしておく必要があります。『挑戦しなければよかった』と後悔するのは絶対に嫌なんです。だからこそ、準備を重ねる。そういうことも含めて、楽しめたらいいなと思います」。

星南さんの踏み重ねる足跡は、オールワンビジョンへの道のり、そのものだ。

■プロフィール
星南(セナ)

1995年生まれ。東京都出身。18歳のとき1型糖尿病を発症する。19歳でアメリカ オレゴン州へ1年間、語学留学し、ミスインターナショナル日本大会2019へ出場。その後、モデル・タレントとして、さまざまなメディアで活躍。2022年にはインスリン治療を続けながら世界をまわり、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロに登頂。その後もフルマラソンやトライアスロンなどにも果敢に挑戦し、その生き様を発信し続けている。

PHOTO:Akane Watanabe
EDIT&TEXT:Soichi Toyama

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