サンゴ礁とは?その役割って?
“海の森”と言われるサンゴ礁の今と未来について考える

 
去る、4月22日は「Earth Day」として、地球上にいる人々が“地球のことを想う日”でした。
ドクターブロナーは「世界平和と宗教や民族の差別のない結束」を唱えるALL-ONEビジョンを掲げ、社会と環境に配慮した高品質な製品を責任を持って送り出し、会社の利益をより良い世界をつくるために投資しています。
 
企業活動の指針のひとつに「地球を自分の家のように大切にすること/Treat The Earth Like Home」があります。その指針に基づき、Earth Dayをきっかけに地球のために“みんなができるアクション“はないかと模索していたとき、サンゴ礁の現状を知りました。

 
「#サンゴ再生チャレンジ」とALL-ONEヴィジョンが出会うまで

 
さらにそれを深く掘り下げるなかで、沖縄県石垣市でサンゴの再生・保全活動をしている団体「ユニスク」の内藤明さんと出会いました。そこで「#サンゴ再生チャレンジ」のハッシュタグキャンペーンをつくり、多くの人がアクションに参加できるプラットホームを用意し、この寄付活動をたくさんの人と行うキャンペーンを企画しました。
 
そして4月20日から5月5日までのキャンペーン期間中に3000を超える「#サンゴ再生チャレンジ」が集まり、ドクターブロナーでは、この6月に沖縄の浦底湾にあるサンゴ礁の再生を手助けするサンゴ礁保全の新しい試験にかかる費用の寄付が決定しました。
今回は寄付の対象である「サンゴ礁」とは何か? また来年のアースデーに向けて、これからのサンゴ礁の未来について考えたいと思います。

 
海や自然におけるサンゴ礁の役割について知ろう!

 
サンゴ礁というと、海の中にずっしりと沈む岩のような塊を思い浮かべる人は少なくないかと思いますが、そもそもサンゴ礁のことをみなさんはどのくらいご存知でしょうか?
まずサンゴ礁とは、その場に根を下ろす植物だと思っている方もいるかと思いますが、実はクラゲやイソギンチャクの仲間に分類される刺胞(しほう)動物の一種であり、「動物」なのです。隙間が沢山空いており、そこは海にいる1/4の生きものたちの住処になっています。そして水温の上昇や紫外線の強弱など、自然環境の変化でも生存できなくなるほど繊細な生き物でもあります。

地球上の海の中で0.1%の面積しかないサンゴ礁の未来を考える

 
「海にいる1/4の生きものの住処」である。自然にとって必要不可欠なサンゴ礁ですが、実は現在、地球上の海の面積のうち0.1%しか存在していません。また、その0.1%のサンゴ礁ですら温暖化による水温の上昇や開発による赤土の流出、生活排水による水質汚染によって30年後には絶滅してしまう恐れがあるのです。それは何を意味するのか。単純に1/4の生物が住処を失い、海の中からいなくなったとしたら、海の生態系は大きく変わってしまいます。そして人間はもちろん、魚類を食べる生きものの食生活は変わり、そのほかにも海の恩恵を受けている生きものたちの暮らしにも多大なる影響が出る。そんな状況がほんの30年後に迫っていると言われています。

しかし、それではいけないと、近い未来に絶滅してしまう恐れのあるサンゴを保全し、サンゴ礁を増やす活動をしている団体が“ユニスク”です。

 
ユニスクは、石垣島に拠点を置き「浦底湾」のサンゴ礁の保全を行っています。海を調べるだけでなく、サンゴ礁を守るために海沿いの畑に植林をしたり、子どもたちへの教育からプログラミングを駆使した調査技術の開発までを網羅した、海を守りたい様々な市民が集まった団体です。
 
ユニスクが行ったのは、まずはサンゴ礁の保全のために海の中を調べ、サンゴ礁の現状や細やかな変化、衰退の原因を把握すること。そしてサンゴ礁が失われてしまう要因のひとつである、雨や台風による陸地からの土砂の流入に着目しました。海に流れ込んだ土砂は水質を悪化させ、サンゴ礁を窒息させてしまうことを知った上で、それを少しでも防ぐため海に近い山や畑に、商用価値の高い木々を植樹。そうすることで、陸の農業を支援し、地産地消も進めながら海を守る仕組みを構築したのです。

 

<写真:土砂流出を防ぐために緑化イベントも実施>

 
そしてそれだけでは終わらず、小学生から高校生を対象に、海洋塾などを開くことで海をより身近に楽しく知ってもらう機会を設けるなど、教育面にも力を入れています。実際、過去の海洋塾の参加者の中には、海の未来を担う進路を目指し国内外の有名大学へと進学していった生徒たちもいるそうで、その想いは確実に次世代へ受け継がれています。

 

<写真:ユニスクの海洋教育の様子>

 
ユニスクの内藤さんは「人は、こんなにも社会を発達させたことができた生きものだから、他の生きものたちのために生活環境を良くすることは不可能ではない」と考えています。30年先には絶滅してしまうかもしれないサンゴ礁の再生を目指す―2050年まで時間がなく、迅速な変化が必要な今こそ、多角的にアプローチすることで浦底湾のサンゴ礁を未来に引き継ぐ、とても理にかなった、そして人としての尊厳と、その他の生きものへの真摯な気持ちを形にしている活動なのです。

 
ドクターブロナーが望みを託す今回の試験

 
ユニスクは、浦底湾のサンゴが減った原因を探る中であることに気づき、定説よりも早くサンゴ礁の再生が可能かもしれないと、新しい試験を試みています。
 
枝サンゴはとても脆く、夏場の台風で破損すると、そのまま流されて海の藻屑となってしまいます。しかし生分解性のネットを、潮の流れなどを考慮して設置することでそのネットが壊れたサンゴをキャッチ。網に引っかかったサンゴはそこに止まり、新しいサンゴ礁を形成していくので、自然に負荷はかけず、自然の力を借りながらサンゴ礁再生の足掛かりになると予想されています。

 

<写真:ユニスクが過去に行ったサンゴの生育状況調査>

 
過去に実施した試験では、浦底湾のサンゴの成長率は最大12倍まで達し、周辺に住む魚類の種類は3種類から44種類へと増加、生残率は89%と、数字を聞くだけでも、驚くべき成果が現れています。
今回のプロジェクトはこうした過去の調査にもとづくもの。今後、その様子もここでお伝えしたいと思います。次回は11月、設置から5ヶ月後、台風が多くなる夏から秋を経た後の様子をお伝えします。

Treat The Earth Like Home ー地球を自分の家のように大切にー

 
「地球上の海の0.1%しかないと言われるサンゴ礁が、30年後には絶滅してしまうかもしれない。海の生きものの1/4の住処になっているというのに」。
この話を聞いた時には、驚きを超えて、途方に暮れましたが、そんな時間はサンゴ礁にも、私たちにもありません。ALL-ONEビジョンを掲げるドクターブロナーとしては、地球=我が家であり、地球上に危機が及んでいることがあれば、できる限り力になるために動く。私たちがすべきことをして、エシカルな選択や行動を続けながら、今後もユニスクとの活動や#サンゴ再生チャレンジ を広め、サンゴ礁とその赤ちゃんたちを見守っていきましょう。
 
そして、やはり海洋汚染や環境破壊は、日々さまざまなものを消費しながら生活する私たちの責任のひとつであり、根気強く付き合っていくべき課題です。そのなかで、1本で10役をこなし、天然由来の成分100%で作られ、生分解性の高いマジックソープを選ぶことも、ささやかだけど一人ひとりにできるアクションではないでしょうか。できることは小さなことでもいいから、実践していく。そんな気持ちで、一人でも多くの人に引き続き#サンゴ再生チャレンジ とユニスク、そしてドクターブロナーの活動を見守っていただきたいです。

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